秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
――楓サイド――
―ピーンポーン
四月中旬。
いい加減寒さなどどこぞに吹っ飛びきってしまった頃。
訪問を知らせるチャイムが鳴った。
「はいはいは~い」
妙にテンション高く出て行ったお袋。
しばらく後……。
「きゃあ~! なにこれ!」
「?」
悲鳴に近い叫び声が聞こえ、玄関に顔を出してみた。
「どうし…………え"」
な……なんだそれ。
「毎度、ありがとうございやしたー」
ぺこりと頭を下げて帰っていったあの男は、この荷物の大きさになんとも思わなかったんだろうか。
どうやって運んできたんだこれ。
「あらやだ。かえくん宛てよこれー。…んまっ! 国際郵便じゃないどこから?」
国際…? いやいや。
海外に知り合いは…いた。
今いたわそういえば。
まさか…?
「んん~? ……フランス…? パリからよ! まあやだフジミネ…藤峰ですって!」
パリ?
待て待て真裕は今ウィーンで…。
てことはその“藤峰”ってもしや…。