秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*

最高潮だったテンションがどん底に落ちたらしいケインは、『うちのは今ロクなのがないけど……使いなよ……』…と、これでもかというほどうな垂れながら言った。


『ご、ごめんなさい』


有無を言わさず連れてきたケインのほうがどっちかっていうと悪いっちゃ悪いのに、なんだか謝らなきゃいけない気がした。

だってそこまで落ち込まれるとねぇ?


『ふっ……いいんだよ。私が悪かった…』


『そ、そお?』


そうは見えないんですが…。

まあよしとしよう。



建物の中に入ると、どっかのホテルですかっていうような設備。

これは一体?


『ここはね…父の残した会社だよ。レッスン室を四階に造ったんだ…ふっ…』


『そ、そうなんだ』


だから…落ち込み過ぎだったら。

苦笑いで返した。



『先生! 先生、おっそいわよ~』

『なにしてたんだよケイン』

『ねえねえビッグゲストって?』

『いつものホラじゃねーだろうな!』


そして…四階に着き、ガラス張りの扉を開けた途端に群がってきた女の子二人に男の子二人。

みんな国籍は違うように見えた。


『はっはっは! 聞いて驚け見て驚け!』


うな垂れていたケインが、途端に復活した。

どんっと胸を張りながら、あたしを差し出すように前に出した。


「にゃんっ」


―どべっ


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