秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
……こけたがね。
急に押すから、こけたがね。
「ああ~んかっくん~!」
かっくんたーすーけーてーっ。
あ~んもう!
半べそをかき始めたあたしを、誰もが呆気にとられて見た。
『こ……この子?』
『おいおい…どっから拉致ってきたんだよ。泣いてんぞ』
『あ。あんた子ども好きでしょ? なんとかしなよ』
『いや……子どもっつーか十三、四じゃねーのか?』
ひそひそと話し込む四人。
ぐすんと涙を拭って立ち上がり、ぱんぱん服をはたいていたら…。
『待って。どこかで見たことない?』
『はあ? あんなのをか? 気のせいだろ』
『ああ!!』
びっくう!!
な、なになになあに!?
今誰か叫ばなかったっ?
『あの子っ……』
「…??」
なに?
『藤峰真裕だわ!』
……はあ?
いや……え、それがなに?
まさにそのとおりですけど……。
「?」