秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
状況が読めず、首を傾げて瞬きを繰り返す。
『藤峰真裕!?』
『馬鹿なこと……』
『いやいやあり得るって。よく考えろ…ケイン(あいつ)あれでもスタッディーノマエストロの息子だぞ?』
『そっか…確か唯一の弟子』
『うっそ……じゃ、ホンモノ…?』
またこそこそ話し始めた四人を見て、再び首を傾げた。
『だから言っただろう? ビッグゲストだっ』
すごく自慢げなケイン。
おろおろして、なぜかそんなケインの後ろに隠れてしまった。
「かっくん……」
やだ、もう。
助けて~っ。
『すっげぇケイン! 百回に一回はホントのこと言うんだな!』
『うそでしょう! 本物に会えるなんて!』
きゃあきゃあとテンションが上がる人達についていけなくて、止まりかけた涙がまた落ち始めた。
『待て待て待て。落ち着けお前ら』
唯一黒髪黒目の男の子。
彼が他の三人を制して、あたしのもとにやってきた。
思わずびくっと体を揺らす。
「日本語のほうが安心するだろ?」
「!」
えっ…。
日本語話せるの!