秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*

そういえば…。

黒髪黒目だけじゃない。

よく見たら、顔立ちは日系だ。

ハーフとかかも…。


「大丈夫だぞ。こいつらアホだけど害はないから」


「う、うん……」


完全に怯えきってしまっているあたしの頭を、かっくんがするように彼は撫でた。


「…!」


「おーよしよし。ああ……可愛い…」


「……」


あれ…。

なんだろ。

なんか……すんっっっっごい子ども扱いされてる気がする。


「ま…まお子どもじゃないもん!」


「子供だろー。んー? …いや待てよ…藤峰真裕といやあ、確か今…十六、七か?」


「ふあーんっ! かっくん~~!」


あたしもういやだ!

帰りたい。

かっくんのところに帰りたいよ…。



なんだか知らないけど限界が来ていた。

実はこっちに来てからというもの、毎晩ほとんど眠れていない。

そんなあたしの唯一の癒しは琥珀と梨音。

坂本さんや野木さんには迷惑かけられないから、いつも二人を抱いてるんだ。

体力的にもだけど、精神的にもう参りきっていた。


「うっ…ふぇー…っ」


泣き出したあたしを、今度はおろおろしながらみんなが囲った。


< 53 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop