秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
そういえば…。
黒髪黒目だけじゃない。
よく見たら、顔立ちは日系だ。
ハーフとかかも…。
「大丈夫だぞ。こいつらアホだけど害はないから」
「う、うん……」
完全に怯えきってしまっているあたしの頭を、かっくんがするように彼は撫でた。
「…!」
「おーよしよし。ああ……可愛い…」
「……」
あれ…。
なんだろ。
なんか……すんっっっっごい子ども扱いされてる気がする。
「ま…まお子どもじゃないもん!」
「子供だろー。んー? …いや待てよ…藤峰真裕といやあ、確か今…十六、七か?」
「ふあーんっ! かっくん~~!」
あたしもういやだ!
帰りたい。
かっくんのところに帰りたいよ…。
なんだか知らないけど限界が来ていた。
実はこっちに来てからというもの、毎晩ほとんど眠れていない。
そんなあたしの唯一の癒しは琥珀と梨音。
坂本さんや野木さんには迷惑かけられないから、いつも二人を抱いてるんだ。
体力的にもだけど、精神的にもう参りきっていた。
「うっ…ふぇー…っ」
泣き出したあたしを、今度はおろおろしながらみんなが囲った。