秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
―――……
数時間後、あたしは無事住まいとする別荘に戻っていた。
「しっ……死ぬかと思ったじゃん!」
…ま、何度か抗議はしましたけどね…。
「…真裕」
「…?」
ぐったりと横になるあたしのそばに、心配そうに寄り添う琥珀と梨音。
そんな可愛い子達を撫でながら、父様が急に真面目な口調で言いだした。
「お前……本当に大丈夫か?」
「え?」
「あの約束…それはいいことだが、体を壊しては元も子もない」
「……」
それは……だって…疲れただけよ。
初めてのところで一人だったから。
知らない人は苦手だから。
ちょっと……疲れただけよ。
「楓くん…」
「え?」
かっくん?
なんでいきなり? 唐突にもほどがある。
「楓くんの存在は、そんなに大きいか」
「……!」