秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*
…ドキッとした。
別に悪いことでも何でもないのに…ただ、図星だったから。
…そうよ。
かっくんがいないから。
だからあたし……崩れてる。
バランスが、崩れてる。
「そうか…」
黙り込んで俯いたあたしを肯定と受け取ったらしい父様は、そう呟いた。
「では…」
「?」
「実行するしかないな…ふっ」
……実行だとこのやろ。
またなんかしでかす気ですかこのやろ。
「父様。余計なことは…」
「何の話かね? 私は仕事に行こう。…おーいさかもっちゃん! 真裕を頼んだよーっ」
「あちょっと…」
「じゃあなまお!」
あ。
……ちっ。行っちゃった。
しかも確認、し忘れちゃった…。
「はーあ、もう…」
父様ってばなに企んでるんだろ?
ていうか……。
「あーもう」
もうなんでもいいや…。
バッとうつぶせになり、重い瞼を閉じた。