好き、好き、大好き。
「だから俺、お前に気がないふりをすることしか出来なかった。お前が傷付いたこともわかってたのに……っ」
また、抱きしめる力が強くなった。
「………」
あぁ、彼もこんなに傷付いていたんだ。
あたしを守るために。
「ごめん、菜月。ごめん………」
あたしなんかを守るために。
「……っ、陽平くん………」
あたし、自分のことしか考えてなかった。
陽平くんが何を思ってるのかなんて、考えれてなかった。