花咲く私


けたたましい
チャイムが鳴り
苦痛のお説教時間も同時に
終わったので
私は胸を撫で下ろした。



「伊藤さん、大丈夫?」


隣の席の女の子が
はじめて話しかけてくれて
私は体温が上がり
先ほどのお説教のことなんて
忘れてしまっていた。


「あ、全然大丈夫!
この季節よくボーっと
しちゃうみたいなの。」


「あったかいもんね。
私もよく眠くなっちゃうから
すごく気持ちわかるよ!
あ、自己紹介まだだったよね。
私は須藤由香里(すどう・ゆかり)。
これから三年間宜しくね。」


なんて明るくて
良い子なんだろう。

こんな私に話しかけて
くれるなんて。


「わ、私は伊藤花(いとう・はな)。
こちらこそ宜しくね。」


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