花咲く私
お互いの自己紹介が
終わると同時に
予想もできない質問が
飛んできた。
「花ちゃんは彼氏いる?」
私はその質問を聞いて
体が動かなくなった。
生まれてこの方
彼氏なんてものは
いたことがなく
幼稚園から中学校まで
女だらけの環境にいたため
男という存在を
そもそもよく知らないのだ。
「いぃいないよぉ〜。」
ぶんぶんと
左右に振る私の手を
由香里ちゃんは
ギュッと握った。
「私もいないの!
だから女同士仲良くしようね。」
握られた両手を握り返し
こちらこそと
元気良く返事をした。