花咲く私


「うわぁ〜、花だ〜!
超久しぶりだ〜!!」


抱き締められながら
笑顔で私の首筋に
頭をぐりぐりと
擦り付けてくる。



全身からぞわぞわと
鳥肌が立ち、
後に鮫肌に変わっていく
皮膚の感覚を覚えながら
私は恐る恐る口を開いた。


「は、ははは離して下さ、い。」


かすかにかすれた声が
彼にも届いたようで
ゆっくりと両手が離され
私は自由の身となった。



「あの、つかぬことを
お聞きしますが、
どちら様でしょうか?」


私は硬直した体のまま
たどたどしく言葉を発した。



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