極甘王子はいかが?



シャツが半分はだけていて、顔が赤く火照っていていて…



「うきゃぁぁぁーーーーーっ」




とても官能的な場面を目撃してしまった私の頭はキャパオーバー。

奇声をあげて後ずさると、声に驚いた女子たちの手が止まり、ここぞとばかりに王子が逃走。


「「あ、那智様っ!!」」

「あぁっ、お待ちください、那智様~っ」


打ちひしがれる会長。

取り巻きが私を睨みながら口々に文句を言う。


「ちょっと貴女、邪魔しないでよ!」

「那智様の隣の席だからって、良い気にならないで!?」


…女子怖い。

鼻の奥がツーンとしたと思ったら、視界がぼやけてきてしまって。

泣いたらだめだと思って堪えようとするものの、堪え切れずにこぼしてしまった。


「ちょっとアンタ達!!

あたしのかぁいい雛姫になんてことすんの?!」


泣いてしまった私を見てちぃちゃんが激怒。

クラス内は騒然となった。
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