極甘王子はいかが?
ぞろぞろと廊下にヤジウマが集まる中、二人は少し慌てた様子で話しあっていた。
「これは…予想以上だぞ」
「知らないわよ!
っていうか、なんで"あたしとアンタはいつも一緒にいる"みたいになってんのよ!!」
「それこそ知らねーよ。
つーか本気でヤバいって。
逃げるぞ!!」
「んっとに…アンタと居ると、気が休まらないわ。
雛姫!逃げるよっ!!」
「えっ」
ぐぃっと腕を引かれて、隼人くんが盾となって教室のドアを突破。
身長が高い二人は当然足の長さも長くて、脚の短い私はその分早く回転させなきゃいけない。
「も…っ、無理っ」
足がもつれそうだよ…っ
「大丈夫だから、もうちょっと頑張って!!」
「くっそ、那智のヤツ。
ちょっとは手伝えよなっ!」