極甘王子はいかが?
「柏木?」
「ぁ…!」
ビックリしたぁ…っ。
後ろから声を掛けられてびっくりしたけど、王子だった。
「桜の木に手なんかついて…考え事でもしてたの?」
「この桜の木にも、付喪神がいるのかなぁって思って」
まぁ、考え事と言えば考え事?
「付喪神? …意外とマニアックだね」
高校生にもなってこんなのを信じてて、バカにされちゃうかなぁと思いながらも言うと、返ってきたのは温かい返事。
「昔から、妖怪とかが好きで、色々読み漁ってたの」
「ふぅん…遭った事は?」
「ないよー。」
「そっか。 話変わるけど、横座ってもいい?」
「ん? いいよ。」
ずっと、男の子が怖いと思い込んでたけど、王子はそうでもないみたいだし…。
あ、隼人くんも。
いっしょに時間をつぶしてくれるのに、立たせたままじゃ悪いし。