極甘王子はいかが?



「柏木?」


「ぁ…!」


ビックリしたぁ…っ。

後ろから声を掛けられてびっくりしたけど、王子だった。


「桜の木に手なんかついて…考え事でもしてたの?」

「この桜の木にも、付喪神がいるのかなぁって思って」


まぁ、考え事と言えば考え事?


「付喪神? …意外とマニアックだね」


高校生にもなってこんなのを信じてて、バカにされちゃうかなぁと思いながらも言うと、返ってきたのは温かい返事。


「昔から、妖怪とかが好きで、色々読み漁ってたの」

「ふぅん…遭った事は?」

「ないよー。」

「そっか。 話変わるけど、横座ってもいい?」

「ん? いいよ。」


ずっと、男の子が怖いと思い込んでたけど、王子はそうでもないみたいだし…。

あ、隼人くんも。

いっしょに時間をつぶしてくれるのに、立たせたままじゃ悪いし。
< 37 / 69 >

この作品をシェア

pagetop