極甘王子はいかが?



頭を抱える大宮くん。

本当に申し訳ない…。


「大丈夫…ナイス頭突き。
ていうか、からかいすぎた僕が悪いから。僕こそごめんね」

「ぇ、からかってたのっ?!」


ピュアと見せかけて…タチが悪い。


「ごめーんね?」

「……うん」

「仲直りの印に、この棒タイと柏木のネクタイ交換しない?」


シュルッと棒タイの一方をつまんで解くと、はい、と渡されて無言の圧力。


「仲直りの印って…(幼稚園児かよ!)
なんで交換するの?」

「お互いの安全のためだよ」


訳が分からない。

とりあえず言う通りにしようと思ってネクタイを解いて手渡そうとするものの、大宮くんは受け取ってくれない。


「いらないの?」


自分から言い出したのに…。


「しばらく動かないでね」


スッと膝に乗せられ、お姫様だっこ状態。

抱きしめられるような格好になって慌てる私を見て、クスッと意地悪く笑う彼。



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