極甘王子はいかが?


「あはっ、可愛い声。」


"何エロい声出してんの?この変態!"とか言われるんじゃないかとビクビクしてたけど、大宮くんは笑ってスルー。

助かった…。

今までの会話の中でそんな人じゃないって分かってても、蘇る(よみがえる)小学校低学年の時のプチトラウマ。


「はい、出来上がり♪」


棒タイをシュッと蝶々結びにし終わって、最後の仕上げ、と言わんばかりに棒タイのある位置をポスッと押される。

位置が位置なら、変態じゃ…。


「ありがとう…」


棒タイを結ぶのに、やけに時間がかかった気もするけど。


「じゃあ、柏木もよろしく」

「…ぇ」


結ばれるだけじゃなかったの?!

よもや、私も大宮くんのネクタイを結ぶの?!

自分から、さっきみたいに密着していかなきゃいけないんでしょ?!
< 44 / 69 >

この作品をシェア

pagetop