極甘王子はいかが?
「あはっ、可愛い声。」
"何エロい声出してんの?この変態!"とか言われるんじゃないかとビクビクしてたけど、大宮くんは笑ってスルー。
助かった…。
今までの会話の中でそんな人じゃないって分かってても、蘇る(よみがえる)小学校低学年の時のプチトラウマ。
「はい、出来上がり♪」
棒タイをシュッと蝶々結びにし終わって、最後の仕上げ、と言わんばかりに棒タイのある位置をポスッと押される。
位置が位置なら、変態じゃ…。
「ありがとう…」
棒タイを結ぶのに、やけに時間がかかった気もするけど。
「じゃあ、柏木もよろしく」
「…ぇ」
結ばれるだけじゃなかったの?!
よもや、私も大宮くんのネクタイを結ぶの?!
自分から、さっきみたいに密着していかなきゃいけないんでしょ?!