極甘王子はいかが?



「大したことじゃないよ。
僕が弱いだけ。
それでみんなに迷惑を掛けて…。
本当ごめん。」



そう言って私たちに深々と頭を下げると、スタスタと出口の方へ向かう彼。

その背中はまるで、『早く逃げなきゃ』と言っているようだった。







―――――――
―――


大宮くんが立ち去って、堪えていた私の涙腺は大決壊。

涙が止まらない…。


「うぅ~~~っ」

「ひな、大丈夫だから…あの馬鹿の為に泣くこと無いわよ」

「アイツ…変な事しなきゃいいけど」

「変な事?」



ま、まさか自殺未遂、とか?!


「ゔぅ~~~っ」


ちぃちゃんの胸の中でぶんぶんと嫌々するように首を振ると、よしよしと頭をなでられる。
< 50 / 69 >

この作品をシェア

pagetop