極甘王子はいかが?
『本日放課後大宮邸へ』
…。
「どうでした?」
「大凶でした。今日は出歩かない方がいいみたいです」
「そうですか、それは災難ですわね。
ですが困難に立ち向かってこそ、よりよい明日を掴めるのですわよ」
おほほほ…とでも言っちゃいそうな優雅な空気の中、私と伊織の心中はそんな穏やかなものじゃない。
『那智ん家、行くだろ?』
『え、やだ。行かない』
『あっそ。知ったこっちゃねぇよ。 とりあえず、気まずくなる前に会え』
という風に。
「あら、何見てるの? ひな」
「これ…」
最早保護者的存在の二人の事だ、きっと反対してくれ「あら、行けばいいじゃない」
…え゙。
「早いうちに仲直りしないと、だんだん気まずくなるわよ?」
みんな同じこと言う……っ!!
かくして私は、大宮邸へ乗り込むことになった。