極甘王子はいかが?



「…き、ひなき。雛姫っ!!!」

「……ふぇ?

うきゃーーーっ」

「ちょ、頭突きはやめなさい。
大宮邸に着いたから、さっさと降りろ!」


痺れを切らした大声と揺すられている振動で目をさますと、伊織のどアップ。

誰でもビックリするでしょ、コレは…。


「あ、はい。
…………。」

「なんだその目は」


じとっとした視線を投げていると、ムッとした伊織の表情。


「伊織は、ここでバイバイ?」

「して欲しいのか」

「いーえ!! 滅相もない!!」


降りろって言われたから、ここで放置されるのかと思っただけだもん。


「部屋まで着いてってやるから」

「まじすか?!」

「じゃないとお前逃げるだろ…」


私の事をよく分かっていらっしゃる…。

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