メイドな私とハプニング!

「おかえりなさい、ご主人様、何名様ですか??」

…柄にもないな、なんて思いながら作った笑顔を張り付けてみる。うん、大丈夫、私、完璧←

「はーい、3名様ですねっ。こちらへどーぞ、ご主人様☆」


「ありがとう、柚ちゃん。」


お客様はいつもの常連さん、高野さん…だったかな?物覚えが悪くって。


クラスメートの名前も覚えられてないんだから、常連さんを覚えられないなんて当然だよね。


「柚ー、こっち来てー!」

「柚ちゃーん!」



なんか、あっちからもこっちからも呼ばれて私はてんやわんや。

いつもこんな感じなんだけど…もっと暇そうな人に声かければいいんだけどなぁ…。



なんて私が思ってるのもつかの間。


からんころん、という店のかわいらしいベルの音が鳴って新しいご主人様が来たことを告げる。



「はーい、おかえりなさいませ、ご主人様!何名様ですか?」


そんな決まり文句を投げかけ下げた頭をあげたその時。


私の目は点になった。

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