らぶ★ちゅー
あたしと千葉くんの息遣い。
時々漏れる甘い声。
水気を含んだ、湿っぽい甘美な音。
この静かな場所でそれらだけが、存在を示していた。
「・・・ち、ば・・・くんっ・・・・・・」
真面目な話、窒息しそう。
空気を吸うためにわずかに口を広げれば、より深いキスになっていく。
苦しくて、千葉くんの肩をバンバン叩いた。
それでようやく千葉くんが唇を離した。
ちゅっ、という音をたてながら。
あたしは大きく息を吸った。
身体に入ってくる空気が新鮮で心地よい。
「お前さぁ、キスしてるときにしゃべんなよ」
呆れたように千葉くんが言う。
あたしは肩で息をしながら抗議した。
「だって、千葉くんが、あたしのこと、お前って言ったから・・・」
「・・・知穂だって『千葉くん』って言ってんじゃん」
・・・うん、人のこと言えないね、あたし。