らぶ★ちゅー


「なあ、俺のことそろそろ名前で呼べよ」


唐突に言われた。


名前で、かぁ。


千葉悠星。


千葉くん、じゃなくて・・・・・・悠星?


悠星・・・。


「やだ、はずかしいもん」


「じゃあお前はずっと『お前』とか『水瀬』とかでいいのかよ」


「やだっ」


千葉くんには名前で呼んでほしいけど・・・でも悠星なんて絶対に呼べない!


てゆーか・・・。


「だったら千葉くんもあたしのこと名前で呼んでよ」


ほぼ毎回『お前』で、『水瀬』と名字で呼ばれることも少ない。


「は?なんでそーなるんだよ!」


千葉くんはそう言いながら、フイっと顔を横に向けた。


・・・あたしは見逃さなかった。


千葉くんの頬がわずかに赤くなったのを。


「え?千葉くんもしかして、恥ずかしいの~?呼べないの?」


あたしはここぞとばかりに千葉くんをからかった。


いっつも千葉くんが主導権握ってるから滅多にないんだよ、こういうチャンス。


「あほか!ちげぇよ!」


・・・おもしろいなぁ。


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