僕の世界は一日限り【BL】


「ありがとうございます」

そう言って彼はティッシュを受け取り、
鼻をかみ始めた。


「いや、それだけじゃなくてさ」


俺もティッシュを一枚引き出し、
目元を中心に彼の顔を拭う。


「おれ、泣いてましたか?」


「泣いてたから、そんなに
 鼻が出てんじゃないのか?」


「……そうですね」



「何でなのか知んないけど、
 とりあえずこれでも飲んどけよ。
 元気出るぜ?」

さっき買った、ドリンクを差し出す。


「……確かに出そうですけれども」


こういう場面で差し出すのは
なんか不似合いな物ですねって、
彼はちょっと笑った。


< 3 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop