僕の世界は一日限り【BL】
「ありがとうございます」
そう言って彼はティッシュを受け取り、
鼻をかみ始めた。
「いや、それだけじゃなくてさ」
俺もティッシュを一枚引き出し、
目元を中心に彼の顔を拭う。
「おれ、泣いてましたか?」
「泣いてたから、そんなに
鼻が出てんじゃないのか?」
「……そうですね」
「何でなのか知んないけど、
とりあえずこれでも飲んどけよ。
元気出るぜ?」
さっき買った、ドリンクを差し出す。
「……確かに出そうですけれども」
こういう場面で差し出すのは
なんか不似合いな物ですねって、
彼はちょっと笑った。