僕の世界は一日限り【BL】
「さてじゃあ、あの辺り行ってみますか」
「……チャレンジャーですね」
二人の目線の先、俺の人差し指の指す先は
「っていうかあれ、一体何なんですか?」
ただひたすらに人、人、人。
「人ごみだよ」
「それは、見れば分かります。
何であんなに人が集まってるんですか」
「あれ、お前知らないの?」
「知らないから聞いているんですよ」
「まあ、俺も知らないんだけどね」
「じゃあ何で行きたがるんですか?」
潰されそうですよ。いや、マジで。とか
足を進めるのを渋っている彼の
手首を掴んで歩き出す。
「なんかさ、いい事ありそうじゃん。
あんだけ人が集ってるんだからさ、
それなりの物があるって事だよ!」
「……そんな事言って、
本当は行くあて無いし目についたから
適当に言ってるだけでしょう?」
……ばれたか。
ばれてしまっては仕方が無いので
人ごみに向かっていた歩みを止めた。