僕の世界は一日限り【BL】

「まあ、お前にもいい所あるもんな」

ようやく笑いの発作が治まった広人は、
すっかり冷めてしまったコーヒーに
再び口をつけながら言った。


「いい人が見つかって、
 お兄ちゃんは本当に嬉しいよ」

「俺に兄は一人しかいねーよ!」



「じゃあオレが弟でいいわ。
 よかったね、お兄ちゃん」

「そっちも超いらないから」

こんな弟は欲しくない。




「でさ、どんな奴よ?」

「あー……日本茶が好き」


「ああ、お前も好きだもんな。
 好きな物を共有できるのはいいよね」

「お前も共有するか?」

「オレはコーヒーでいいですから。
 どうぞお気を使わず!」


逆に気を使ってコーヒーを淹れてるのに。

って、それを解ってて言ってるんだよな。





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