僕の世界は一日限り【BL】
彼は少し驚いたようだけれど、
すぐに肩の力を抜いて、
俺の好きにさせている。
「謝らないでください」
ゆるく首を振りながら彼は言った。
「でもさ、俺と居ても良い事無いだろ?」
逆に嫌な思いをさせる自信ならある。
嫌な自信だ。
「ありますよ。
一緒に居て楽しいです」
「だけど一緒に過ごした事も、
話した事とか全部、忘れるし」
俺はそれでもいいんだ。
忘れている事自体さえ、
メモでもしなければ
憶えていられないんだから。
でも、相手も同じだとは思えない。
現に今、こんな顔をさせてるのは俺だろ。