僕の世界は一日限り【BL】
「じゃあ、謝らないでくださいね」
俺が手を止めると、彼はそう言った。
「何で?」
「何でって……アンタが謝る時、
どんな顔してるのか知ってますか?」
そんなの、知る訳がないじゃないか。
鏡を見てもいないのに、
自分の顔は見えないのが普通だ。
「笑ったりしてるつもりみたいですけど、
すごい、苦しそうな顔してるんですよ」
……そんなの、知らなかった。
「だから謝らないで名前、呼んでください
それだけでいいんです。
笑って、おれを呼んでください」
「……努力します」
自分がどんな顔してるのかは知らないけど
俺は謝る回数が多いような気がする。
それは少し、減らせるように頑張ろう。