僕の世界は一日限り【BL】
そもそも、
『明日には全部忘れる』とか
そんな無茶苦茶なって思ったけど、
次の日は本当におれの事自体も忘れてて、
嘘にも見えなかったし、
理由を聞いたら納得した。
それは大変だろうなと思ったけど、
本人はまったく気にしていないようで……
でもきっと、おれが知らないだけで
色々苦労もしてるんだろうと思う。
見せてもらったアルバム、
写真の貼ってないところにも
メモがびっしりだった。
その日、名前を聞かれた事が、
何故だかとても嬉しかった。
彼にとって、おれがどうでもいい、
忘れても構わない人間じゃないと
そう言ってもらえたような気がしたから。