僕の世界は一日限り【BL】
「ところでですね、友彦さんは、
自分で、覚えられないの、
本当は嫌なんですか?」
この間聞いた限りでは、
別にそうではないと言っていたけれど、
今日は気にしているようだった。
その事も告げると、
『いや?逆に毎日、
新鮮な気持ちでいられるな
とか思ったりもするぐらいだけど』
「じゃあいいじゃないですか。
毎日、おれと出逢ってください」
『……はい』
電話の向こうから、
忍び笑いも聞こえてきた。
何だ、ちょっと臭いか?
『俺もさ、似たような事思ってたんだよ』
「そうなんですか?」
『うん。
俺は毎日忘れちゃうけど、
でもさ、何度でも出逢えるから、
それはそれでお得だよなって』
「お得ですね」
笑って言うから、おれも笑ってしまう。