君へ。
真実
初めて感じるお父さん以外の男の人の温もり。
大きくて、安心して身をゆだねてしまいそうになる。
アタシはびっくりして身動きがとれないでいた。
『…えっと…アタシ………』
「あんな鈍感男のどこがいいんだよ」
『えー…?えっとー……(汗)』
返答に困っているアタシを腕の中から引き離し、池内サンはアタシの両手を握った。
………どうしょう。
「実は……結構前から梅田サンの事気になってたんよね」
少し頬を染めて話す池内サン。
初めて見る表情に不覚にもアタシはドキリとしてしまった。
「梅田サン、結構人気あるから…焦っちゃってこうなっちゃったけど、いきなりゴメンな?大人げなくて」
申し訳なさそうにする池内サンにアタシは大きく横に顔をふる。
そういえば、ゆうちゃんとずっと前にアタシがモテ期だって話になってた時、いずれ分かるって言ってたけど、この事だったんか。
ゆうちゃんは池内サンの気持ち知ってたんや。