君へ。
ゆうちゃんがペコッと頭を下げる。
アタシもならって頭を下げた。


「会社の友達。梅田サン、田中サン。これ親」


木田クンは親指で女の人を指しながら紹介した。


「ちょっと!これって紹介はないでしょっ!ごめんなさいねぇ、うちの子口悪いでしょー?」


木田クンの“お母さん”は木田クンの頭を軽く叩きながら笑顔で近づいて来た。


『あ…梅田こころです!』

「田中ゆうです」


ペコリと頭を下げて自己紹介した。


「翔太の母の百合です。よろしくね。まぁ〜翔太ったらこんな可愛い子にお見舞いに来てもらっちゃって!隅に置けないわねぇ」


木田クンのお母さんはフフッとおちゃめに笑った。



木田クンはお母さんに結構似てる。クリッとした目や優しげな笑顔とか輪郭。


木田クンのお母さんは可愛かった。



アタシはまじまじと見る。

この人から木田クンが生まれたのか…。
そう思うとこの人ともっとたくさん話してみたいと思った。
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