君へ。
木田クンはまだ笑っていた。


「ヒャハハハ!!おもろすぎてずーっと見てたし!」


お腹をおさえながらこっちを見て言う木田クン。





え?ずーっと見てた?



木田クンにとっては何気ない言葉でも、あたしとってはもの凄い嬉しい言葉。


見てたのはアタシだけじゃなかった…。恥ずかしいけど嬉しかった。

なんともくすぐったい気持ち。
ドキドキがさらに加速していく。
なんとか平常心を取り戻した時には、もう駐車場に着いていた。


「バイバーイ、梅田サン!」

手を振って木田クンは車に乗り込む。

『あっ!バイバーイ木田クン!!』アタシもすかさず返した。

車に乗り込みふーっと息を吐く。
こんなにも数分の間に充実したことはない。


顔が赤いのが分かった。

これが好きって気持ち。

なんだか幸せな気持ちになった。


どんどん好きの気持ちがでっかくなってく。
走りさる木田クンの車をバックミラーで見ながら口が緩みっぱなしのアタシはどう見ても変人だろう。




思えば今日気持ちに気付いたばかりなのに…すでにこんなにも大きくなってく想い。


これからどうなるのか分かったもんじゃない。
でも心臓は確かなトキメキを関知して波打っている。


明日からもっと楽しくなりそうだ。
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