君へ。
そんなある日、幸田クンがいきなり休み時間にアタシを呼び出した。


「梅田サン!ちょっと!!」

こそっと話してくる幸田クン。


『何?どうしたんよー』

廊下の隅に早々と連れてかれた。

「あのさ!……そのぉー…」

何なんだ。早く言ってくれないとイライラしてくる。

「えーっと………」

……………………。

「何と言うか…だからー……」

……………………………………。……………オイ。

『早く言えっつーの!!!』

アタシはいい加減ムカついて来て幸田クンに怒鳴る。


「うぁ!ごめん;;だから、…田中サンって彼氏とどのくらい付き合ってんの!?」


は?何それ。

『……何で?』

「何でって……」


黙り込んでしまう幸田クン。
お?これは…もしかしなくても………

『幸田クンさぁ、ゆうちゃんにマジだったりする?』

幸田クンの顔を覗き込んで単刀直入に聞いてみた。すると幸田クンは一気に真っ赤になって口に人差し指を立てて、しーっ!と必死に声を潜める。
そんな必死にならんでも(笑)


「お願い!誰にも言わんといて!!」

『あぁ、それは分かっとるけど…そっかーマジだったのかー。…指輪見たん?』

「うん。それ見た時諦めようとしたけど…無理だった!」


幸田クンは何とも言えない苦しそうな悲しそうな笑顔で言った。
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