君へ。
ザザーーン…ザザーーン…

波の音が一定の速度で耳にこだまする。少し肌寒いけど波の音のおかげか落ち着いていて苦にならなかった。



「海だーーーーーー!!」
幸田クンはいきなり大声をあげる。ホント馬鹿だなぁ(笑)



暗くもない明るくもない空。
いつもは寝てる時間の馴染みのない空の表情にため息がもれる。

そのまま深呼吸する。
空気を久しぶりに美味しいと思った。


朝は自然と清々しい気分にさせてくれる。



皆は砂浜でじゃれあっていた。
元気だなー(笑)
ゆうちゃんなんて物凄く眠そうにしてる。その横ではののがうたた寝していた。


アタシは不思議と眠くなかった。
目がさえていて、ずっと空を見つめた。


さっきより少しだけ明るくなっている。雲ひとつない空は今日もいい天気なのだろうと思わせた。


「あっ、太陽!」
誰かの声がした方を向くと、確かに太陽が遠慮がちに顔を出していた。

それでも眩しい太陽の光が顔に当たり暖かさを感じる。



改めて地球って凄いと思う。
太陽の光が海を反射してキラキラして綺麗だ。



目を奪われる程の自然が目の前で輝いている。
それほど綺麗だった。


今日のこの風景はずっと忘れないだろう。



ちらっと木田クンを見た。
その真剣な横顔はいつもと違ってずっと先を見据えている。


君は今何を思い感じているんだろう。
君のすべてを知りたい。
これって変な事なんだろうか?
でも思わずにはいられない。


アタシは日に日に大きくなっていく気持ちを胸に、気を引き締めた。









この恋



絶対叶えたい。
< 43 / 216 >

この作品をシェア

pagetop