君へ。

黒い気持ち

少ししてからゆうちゃんは木田クンと同じ班に移動になった。


「木田クンに変な女が近づいてないか見ててあげるよ♪」

『ヒャハハ(笑)ありがと!』


正直心配だったからゆうちゃんに感謝した。







最近、仕事中に機械を通して木田クンを見るのが日課になったアタシ。

ストーカーとかじゃなくて、自然と目がいっちゃんだ。


今日も仕事中にちらっと木田クンを見る。
真剣な表情で機械を作動している木田クンはホントにカッコイイ。

すると、木田クンは誰かに呼ばれたようで横に顔を上げた。

アタシもそっちを見るとゆうちゃんが笑いながら木田クンに近づいて来るのが見えた。



……何だ、ゆうちゃんか。


アタシがそう思っていると、ゆうちゃんは持っていた何かの資料を木田クンに見せた。
木田クンはそれを覗きこみ何かに気付いたようで笑っている。
ゆうちゃんも笑っていた。


ズキッ。

『…っ』

胸の奥に電気が走ったように痛む。

『?』
困惑するアタシをよそに二人はまだ仲良く話している。


まだ続いている痛みにアタシは顔を歪め、二人から目をそらした。
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