君へ。
「……なんかあった?」

『…っ!』

バレた。幸田クンは意外にも鋭いとこがある。


「…言いたくないなら、えぇけどね」


そう言って心配そうにアタシの顔を見てくる幸田クンの目を見たら、泣きそうになった。

少し目が潤んでしまったのだろう。アタシを見るなり幸田クンは慌てたように、


「あわわ!ちょ、ちょっと待って!ここでは泣くな!!オレが泣かしてるみたいやん!」


あたふたしながらアタシをどうにかしようとしている幸田クンを見ていたら笑えてきた。


『…フフッ!大丈夫。アタシなら大丈夫やって!!』

アタシは笑顔で幸田クンを安心させる。
そしたら幸田クンも笑顔になって、
「もぉー…ビビらすなよ!」
と、肩を突いてきた。


「…でーも!心配やから今日夜電話するわ。何ぼでも付き合うから話せ!」

さっき言いたくないならいいって言ったのに(笑)
まぁ、いいか!


『はいはい(笑)じゃあ夜ね!』

アタシたちはそう言って仕事に戻った。
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