君へ。
「席は決まってるから勝手に座るなよ!」

それぞれ勝手に座ろうとするアタシ達を止める幸田クン。


「何ソレ。めんどくさ」
ゆうちゃんは訝し気に幸田クンを見た。
幸田クンはニヤリと笑ってゆうちゃんに耳打ちする。ゆうちゃんはそれを聞きちらりとアタシに目を向け“あぁ〜♪”と納得した様子でフフフっと笑っていた。


『…何?』
アタシは眉を潜めて二人を見る。
そんなアタシに白々しくとぼける幸田クンとゆうちゃん。
ゆうちゃんは“まぁまぁ♪”と言ってアタシは向かい合う3人ずつの1番端っこに座らされた。
その横にゆうちゃん、ゆうちゃんの前に幸田クン、その右隣りに吉クン。アタシの前の席とゆうちゃんを挟んだ吉クンの前の席が空いていた。


この席順に何を意味するのかよくわからない。



「後は二人を待つだけだな!」
幸田クンはふぅっと一息ついていた。


『なぁ、後二人って木田クンは分かるけど後一人は?』

「本社から来た小池ってゆう奴」


小池?いたっけ?そんなん。


アタシは知らないといった感じで幸田クンを見た。

幸田クンはインテリア系の暗い奴だよと言ってハハハっと笑った。
< 98 / 216 >

この作品をシェア

pagetop