ディアパゾン−世界に響く神の歌−
「──あっ」
アナが気付いた時には遅かった。
アナの腕の傷から流れた血が肌を伝って宝石の表面を汚していた。
アナは慌てて反対の手に持ち替えた。が、それはますます濃い赤色に変化していった。
しかも欠片自体がぼんやりと光っている。驚きながらも見ていることしか出来ないアナの手の中でそれは突然に強い光を放ち、まっ白い光がアナを包み込んだ。
思わず目をつむるアナの耳に、静かな『声』が響く。
『──見つけて。世界と共鳴する歌声を。欠片がきっと導く。
あなたには、わかる。
波が世界に広がる。
見つけて』
アナが気付いた時には遅かった。
アナの腕の傷から流れた血が肌を伝って宝石の表面を汚していた。
アナは慌てて反対の手に持ち替えた。が、それはますます濃い赤色に変化していった。
しかも欠片自体がぼんやりと光っている。驚きながらも見ていることしか出来ないアナの手の中でそれは突然に強い光を放ち、まっ白い光がアナを包み込んだ。
思わず目をつむるアナの耳に、静かな『声』が響く。
『──見つけて。世界と共鳴する歌声を。欠片がきっと導く。
あなたには、わかる。
波が世界に広がる。
見つけて』