なな恋
背中の柔らかい感触と
ポタリと垂れた冷たいしずくが意識を覚醒させる。
目を開けたそこには
超至近距離の愛しい人。
『あれは反則だろ。
泣き顔に、寝顔。
我慢きかなそうだったからシャワーに逃げこんだのに追いかけてきて。
自業自得だから。
もう止められないよ。』
その言葉を
完全に理解する前に快感に呑み込まれたから。
口を口で塞がれて
言葉を紡がせては貰えなかったから。
あなたの愛を否応なしに注がれてしまったから。
もう疑う余地のないほどに彼に乱されてしまった。