チョコレートシェイク
中央に料理が並んでいて、それを取り囲むように女の子達がひしめいていた。
1人ずつクラッカーを渡され、程なくして店内の証明が落ちた。
「Happy birthday to you〜♪
Happy birthday to you〜♪」
スタッフの歌声からはじまり、それに女の子達の声が加わって行く。
「Happy birthday dear〜Kai♪」
クラッカーが弾け、櫂くんが出て来た。
「ハッピバースデー♪俺〜♪みんなありがとうございます!!」
まるでテレビで観る、ホストのバースデーイベントの様だった。
櫂くんはシャンパンをついで回っていた。
女の子に囲まれている櫂くんを見て、胸が苦しくなった。
これが彼の日常…
「予想以上だね…」
奈津美のテンションも若干落ちていた。
私…何でここにいるんだろう…
バカバカしいけど涙が出そうだった。
「沙里!飲もう!」
どこから持って来たのか、奈津美にシャンパンを渡された。
「かんぱーい♪」
人集りを抜け、隅の方で2人で乾杯した。
こーなったら飲んで、飲んで、飲みまくってやる!
私は勝手にヤケになっていた。
中央では相変わらず女の子達がキャーキャー騒いでいた。