チョコレートシェイク
そんな顔で見ないでよ…

心配そうに、でも愛おしそうな顔で覗き込まれて、どうしたらいいのか分からなかった。

「さ、飲むぞ♪」

そう言って櫂くんは私の手を取って中央に連れて行った。

「え?沙里?」
後ろから追いかけてきた奈津美がぽかんとしている。

女の子達の間を抜けると、中央にはシャンパンタワーがあった。私達は隅にいたから見えなかったけれど、櫂くんへのプレゼントがたくさん置いてあった。

「みんな飲んでますか〜?」

櫂くんは私の手を握ったまま、もう片方の手でシャンパングラスを持った。

視線が手に集まる。

「え?何あの子?」

さっき櫂くんのところに来た、カナと言う子が怪訝そうに言った。
それをきっかけに、女の子達がざわめき出した。

「櫂くん〜だぁれその子〜?」

「浴衣着てるし〜笑」

みんなの視線が刺さる。




「誰って俺の彼女♪」
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