王子様と甘い生活
「あっ…そっか。芽依ちゃんごめん!自分の荷物運んだらまた手伝うね!本当にごめんね」
そう言って、未来くんは部屋から出て行った。
部屋に残された私と、扉の前に立つ坂井くん。
きっ…
きまずい。
それに…
目の前に坂井くんが立ったことで実感した。
本当に坂井くんと同居するんだってことに。
「なに?」
「えっ?」
いきなり坂井くんが声をかけてきた。
「言いたいことがあるって顔だけど?」
「そっ、そんなこと…」
実はあるから、驚いた。
「その…同居のこと…誰かに言った?」
私には親友が2人いる。
親友にも言えなかった、坂井くんとの同居。
それに…
私には、それを知られたくない人が他にもいるんだ。
「別に、わざわざ人に言うことじゃないでしょ。」
「えっ…じゃあ」
良かったー…
誰にも言ってないんだ。
そう安心していると、冷たい声が響いた。