王子様と甘い生活
「お料理教室で鍛えたのにぃー。」
「あのね、一週間通ったくらいじゃ、鍛えた内には入りません!」
私はお母さんからフライパンを奪い取り、朝食を作り始めた。
「もう良いから、お母さんは得意な洗濯してきて!」
「はーい、あとはよろしくお願いします。」
そう言って、お母さんはリビングから出ていった。
お母さんは昔から料理が苦手だった。ほかの家事はできるのに、料理だけはダメ。
だから自然と私が作るようになったのだけれど…
和人さんとの同居が決まってから、お母さんはお料理教室に通い始めた。
和人さんはお母さんが家事が苦手なことを了承している。
それでも苦手な料理をしようとしたことは、お母さんなりに努力しているんだと思う。