王子様と甘い生活
「この卵焼きおいしー!」
「いやー芽依ちゃんが料理得意っていうのは本当だな!」
そう言って、和人さん、遥さん、未来くんはパクパクとごはんを食べてくれた。
「今まで男だけの暮らしだったから、手料理って久しぶりだよ。ありがとう芽依ちゃん。」
そう言って、遥さんがにっこり笑う。
その笑顔は本当に素敵で、かぁっと頬が熱くなった。
「和人さん、芽依のごはんおいしいでしょ!でも、私もがんばるから待っててね。」
「ありがとう、千春さん。でも仕事もあるんだし、無理しないでくれよ?」
「和人さん…!」
そう言ってお母さんは、ぽっと頬を赤らめた。
まったく…
朝からラブラブで、本当にうらやましい。
「あら…そういえば、彼方くんは?」
そうだ…確かに、坂井くんがいない。
もう出かけたとか?
「あぁ…彼方兄ちゃんならまだ寝てるよ。」
「へっ?」
「兄ちゃん、低血圧で朝弱いんだよね。」
へぇ…朝弱いなんて意外かも。
もう10時すぎてるし。
「そうだ、芽依ちゃんなら起こせるんじゃないか?」
「えっ?」
「そうだよ、試しに起こしてきたら!」
未来くんがいたずらっぽくにやっと笑った。