王子様と甘い生活

「えっ…?」



気づいた時には、坂井くんに抱きしめられるように、ベッドへ引きずり込まれていた。



「なっ…なっ…」



坂井くんは私の首もとに顔をうずめてきた。首に息が掛かり、ぞくりとする。

驚きすぎて、声にならない。
ちょっと…どうしよう!


それに、腰に回る腕がくすぐったくて、ドキドキする。



すると、バンっと扉が開き未来くんが部屋に入ってきた。



「彼方兄ちゃん、起きた…えぇ!?」



ベッドにいる私を見て未来くんが驚きの声を上げた。



「みっ未来くん!助けて…」

「なっ…何やってんだよぉ!!!!!」

「くー…」



そんな未来くんの叫び声にビクともしない、このクールな王子様は、朝が本当に苦手らしい。


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