王子様と甘い生活
「信じらんねぇ!!」
そう言って未来くんは坂井くんを睨みつけた。
坂井くんはあれから30分以上たってやっとリビングに来た。
その間に遥さんは出掛け、お母さんと和人さんも買い物に行ってしまった。
「勝手に部屋に入る彼女が悪いんだろ。」
そう言いながら、私が作った出汁巻き卵を食べる坂井くんに本気でイラッとした。
「俺だってまだ一緒に寝てないのに、彼方兄ちゃんってば芽依ちゃんと一緒に寝てさー!」
「みっ、未来くん!?」
「今日は俺と一緒に寝てくれる?」
目をキラキラさせながら未来くんが私を見つめる。
未来くんは昨日から弟だけど、血はつながってないし、一歳下なだけだし…
「っ…ダメだよ!」
焦ってそういうと、未来くんはぷっと笑った。
「芽依ちゃんってば、かわいーい!」
「くだらない。」
そう言って、坂井くんがフッと鼻で笑った。