王子様と甘い生活
「未来、くだらないこと言ってる暇があったら課題やれ。出てるんだろ?」
すると、未来くんは「あぁっ」と声をあげた。
「やべー…忘れてた。芽依ちゃん、俺、一旦部屋戻るね!」
そう言って、リビングから出ていった。
あぁっ…また2人きりにさせられた!
リビングに気まずい空気が流れる。
どっ…どうしよ…何か話題!
「別に、無理に話題を探そうとしなくて良いから。」
「えっ?」
突然、坂井くんが私の方をみないで、ぼそっとつぶやいた。
「これから一緒に暮らすんだし、無理するとお互い辛くなるだけだから。」
『一緒に暮らす』
ずっと疑問に思っていた。私と坂井くんは、最近までただのクラスメートだ。
でも今は家族として同じ屋根の下に暮らしている。
坂井くんは、私と暮らすことに戸惑っていないの?