王子様と甘い生活
「おもっ…ちょっと買いすぎちゃったかも。」
いくら2人で来ているとはいえ、5袋分も買い物してしまった。
「ごめん、芽依ちゃん。俺調子にのってカゴに入れまくっちゃった。」
「いーのいーの!私も似たようなものだし。」
普段は1人で買い物しているせいが、未来くんとの買い物はつい楽しくて、買いすぎてしまった。
それにしても重すぎるし、家まで結構距離があるし…。お母さんに電話しようか悩んでいるときだった。
「未来と芽依ちゃん?」
横を走っていた車が止まり、窓から遥さんが顔を出した。
「遥兄ちゃん、ナイスタイミング!」
「へっ?」
こうして、偶然会った遥さんと合流し、荷物を車で運んでもらえることになった。
「ずいぶん買い込んだんだなぁ~。」
「でも兄ちゃん、今日はハンバーグだよ?そのためなら仕方ないっしょ!」
「ハンバーグにホットケーキミックスいるの?」
「あっ…」
冷静な遥さんのツッコミに私と未来くんは顔を見合わせてしまった。
「うそうそ、ハンバーグもホットケーキも楽しみにしてるよ。」
くすくすと笑う遥さんに、ほっとした。
無駄遣いするんじゃないのって怒られたらどうしようかと思った。