王子様と甘い生活
「じゃあな、芽依」
「うん、ばいばい」
悠真と廊下で別れて、私は玄関に向かった。
すると、げた箱の前で5、6人の女の子と男の子が楽しげに話していた。
「あっ、芽依ちゃん!」
「えっ、未来くん!?」
未来くんが嬉しそうに私にかけよる。囲まれていたのは未来くんだったんだ。
さっまで周りにいた女の子たちがこっちを見てる。なんだか居心地が悪いけど、やっぱりモテるんだと実感する。
「芽依ちゃんのこと待ってたんだよ。ケータイにメールしても返事こないしさぁ。心配したよ!」
「あっ、ごめんね!委員会だったんだ。でも、どうして待っててくれたの?」
すると、未来くんはきょとんとした顔をした。
「何でって、同じ家に帰るんだから一緒に帰ろうと思って。」
そう言って、にっこりと笑った。
その笑顔に、心がほっと暖かくなった。
「ありがとう、未来くん。」
「へへっ…あっねぇ、やっぱジェラート食べて帰らない!?」
未来くんがいたずらに笑った。
「いいね、そうしよっ!」
未来くんと歩き出した瞬間、ポケットでまた鈴が鳴った。