王子様と甘い生活
「こら!彼方、芽依ちゃんに何てこと言うんだ!」
和人さんが叱るけど、坂井くんは相変わらずツンとしたまま、私が作ったスクランブルエッグを食べていた。
「ごちそうさま、俺先に行くから。」
そう言って、坂井くんは食器を片づけ、リビングから出ていった。
坂井くんってば、学校ではクールな人って有名なのに、何であんな意地悪ばっかり言うの?
ほんっと
腹が立つ!!!!
「芽依ちゃん、彼方が意地悪言ってごめんね。」
「和人さんが悪いわけじゃないんだから、謝らないで。」
そう言って、笑いかけると遥くんがおぉっと声を上げた。
「芽依ちゃん、ついに父さんとタメ語で離せるようになったんだね。」
すると、和人さんがうんうんと頷きながら嬉しそうに笑った。